今日は遺跡を中心に観光です。
明日は朝イチでイスタンブールへ移動なので、今日が実質の最終日になります。今日も(今日こそは)ぼったくられないように頑張ります。
とはいえプライベートツアーを申し込んでいるのですが。
私は観光での団体行動が嫌いなようです。団体行動が嫌いというか、せっかく1人で来ているのだから出来るだけ自分の思うままに行動したいのです。運転手さんにお願いしている以上ある程度の縛りはありますが、団体ツアーよりはマシだと思います。
ホテルの朝ご飯。
いいホテルなのでビュッフェ形式でした。右下のは毎度お馴染み緑色のコロッケです。これは1ターン目なので2ターン目まであります。遺跡観光に夢中になり過ぎて昼ご飯を抜きがちなので食べる時にめいっぱい食べておきます。
8:00、時間通りに車がやってきました。
私は運転手だけをお願いしましたが、有料オプションでガイドさんや昼ご飯もつけることができます。ガイドは英語なので、日常会話ですら精一杯な人間が古代エジプトの話を英語で聞いても意味わからんだろうというのと、詳しい説明を聞いて知識を広げるよりその瞬間の感想に浸りたかったので無しにしました。探せば日本語ガイドさんもいるかもしれませんが、それでもお願いしないと思います。
運転手さんはアハメッドさんです。ちなみに昨日の船の客引きのおじさんもアハメッドさんです。あとホテルの前にずっといるおじさんもアハメッドさんです。
メノムンの巨像。
昔はこの辺りまでナイル川だったそうで、足元までナイルに浸かっている写真をアハメッドさん(今日の運転手)が見せてくれました。
後ろ姿がかっこいいです。
さっきとは違う何か。
アハメッドさんが写真を撮れとうるさいので。
こちらも写真を撮れとうるさいので。
「アラバスタ!」と言っていました。どこにもビビがいないのでおかしいなと思ったのですが、あの白い石が「アラバスタ」らしいです。ここはアラバスタの加工場で、お土産屋さんもあるそうです。エジプトは砂漠だし、アラバスタ王国もこの辺から来てるんでしょうか?
ガイドさんはつけませんでしたが、アハメッドさんがずーっと「あれが貴族の墓で〜」などと何かしらの説明をしてくれます。これはチップが期待されます。
そんなこんなで王家の墓です。
「90分後に帰ってくる」と言ったらアハメッドさんに驚かれました。今回は元々のツアー概要に書いてあった時間を参考にしているのでおかしいことは無いと思うんですが⋯⋯。
王家の谷についても河江先生のYouTubeで見どころを押さえてきました。優等生です。
王家の谷にはたくさんの王様のお墓があるそうなのですが、ラメセス6世(壁画の種類が豊富)・セティ1世(美しい)・トトメス3世(古い時代のお墓、それ以降のお墓との違いがわかりそう)のお墓がオススメとのことなのでそこは押さえつつ、あとツタンカーメンのお墓も見たいです。やっぱりベタが一番です。
と、思っていたら王家の谷では全体の入場料のほか、主要なお墓の入場には個別チケットが必要でした。上記のうちトトメス3世以外は個別チケットが必要です。私が入りたいお墓のチケットを合計すると1万円を超えました。入りたい施設への必要経費はケチらないことにしているので「ぐぬぬ⋯」となりながらも払います。
入場ゲートを通過すると、舗装された長い道が見えました。途中でカーブしているのでその先がわかりません。そして送迎用のミニバスが停まっています。
中国人の方が乗っていたバスに「乗っていいんですか?」と聞くと「いいんじゃない?」とのことなので乗ってみました。乗ったらミニバス用のチケット売り場が見えました。あれま。
「チケット買ってなかった〜」と告げて降り、チケットを買って乗り直しました。これが必要経費なのかはわかりません。なにせカーブの先が見えないし、チケットは20EGPだったので。
バス(というか屋根があるだけのちょっと長いワクワクする乗り物)に気持ちよく揺られること2分。
王家の谷のお墓エリアに到着しました。歩ける距離でしたね。
1つのお墓にどれだけ時間がかかるかわからないので、とりあえず近くにある入りたかったお墓に入りながら奥へ進んでいくことにしました。
ツタンカーメンさんのお墓。むちゃくちゃ綺麗!
入り口から入ってすぐのところに棺があります。古い時代のお墓は盗賊を恐れ、谷の奥の方に穴を堀長い通路の先に棺を設置していたそうなのですが、ツタンカーメンさんくらい新しい時代の王様になるともうこの辺りが王家のお墓がある場所だとわかっているので、谷の入り口近く且つ穴に入ってすぐのところにドーン!と設置されているそうです。本当に谷についてすぐでした。あとミイラもいました。
お次はラメセス6世です。
きれーーーー!
真っ白い壁に細やかに彫られた絵や文字、そして所々色も残っています。
奥に進むにつれ、保存状態の良い場所が多くなります。壁や天井に所狭しと描かれているのは王様が冥界を旅していく物語だそうです。左下、首チョンパされた人がいます。地獄でしょうか。
とにかく綺麗です。
物語という物語が描かれています。首が動物っぽい人は神様で、丸いのは太陽です。
さてお次は奥の方の古い時代の王様、トトメス3世さんのお墓に⋯
工事中でこの先に行けませんでした。
しょうがないので近くにあったトトメス4世さんのお墓に行きました。トトメス3世さんのお墓に入りたかった理由は「古い時代のお墓の構造を見たい」なので、近かろうと思って。
トトメス4世さんのお墓は質素ではありましたが、確かに棺までの道が長くて曲がったり登ったり下ったりしました。ツタンカーメンさんと大違いです。そして谷の奥の方にあるので観光客も少なくゆっくりできました。
お墓を出ると暇そうにしていた係のおじさんが「パノラマビュー」と言って指さしてくるのでついていくと
確かにいい景色でした。エジプトについてから砂漠か加工された岩ばかり見ていたので、久しぶりの自然の岩肌にドキドキします。気持ちいい風も吹いていました。そしてチップをとられました。
気を取り直してセティ1世のお墓です。とにかく美しいらしいので身構えて入ります。
フンコロガシと羊の頭の神様。
太陽にまつわる神様たち。
ちゃんとフンコロガシもいます。
ここがとにかく綺麗でした。まるでおとぎ話の世界のようです。白い石に映える3000年前の温かみのある色にうっとりします。
あと柵が置かれた立ち入り禁止風の小部屋があり、その前に警備的なガラビアを着たおじさんがいたのですが、男性観光客がその柵から身を乗り出してカメラを構えていたらスッと柵をどかして中に入れてあげていました。そして柵を再び閉めます。それを見てしまった私は、よくわからんがぜひそこに入りたくなったので近寄ると入れてくれました。確信犯のくせに「いいの?」と聞くとウインクをするおじさん。おじさんのウインクって⋯⋯ずるくないですか???
これはチップ案件だなと思って他の壁と同じように装飾が施された中を一周してから出ましたが、特に要求されませんでした。見逃しただけかもしれませんが。
個別チケットは使い切ったので、あとは時間の限り手当たり次第に入れるお墓に入りました。個別チケットが必要ないお墓は注目度が低いのか、人が少ないのでゆっくり見られて良いです。90分ではなく2時間と言うべきでした。
ギリギリまでいたので時間がなくなり帰りもバス。最後尾に後ろ向きに座れたので、遠ざかる王家の谷をぼんやり眺めながら帰りました。
そしてハトシェプスト女王葬祭殿。
ハトシェプスト女王は古代エジプト王朝唯一の女性ファラオだそうです。女王といえばクレオパトラですが、クレオパトラはプトレマイオス王朝という比較的新しい時代の女王で、その辺までひっくるめると「エジプトの最初の女王」になります。確か。そういえばクレオパトラの前あたりの女王だか王妃だかがネフェルタリだとか⋯ビビ?
ずごーん。葬祭殿です。すごい広いです。
ここでもチケット売り場から葬祭殿までのワクワクバスが出ていましたが、総裁殿がしっかり見えていたのでケチって歩きました。すぐです。暑さに耐えられさえすれば。
修復後なのかなんなのかわかりませんが、やけに顔が可愛いです。
ファラオにはアゴにニョーンと伸びたアゴなんだかヒゲなんだか長いやつがついていますが、女王だからかついていません。
隅々まで周り、どこからか現れたガイド客引きを巻き、日陰の灰皿でタバコを吸うイタリアマダムと1本ご一緒し、昨日とは別の日本人団体客を見かけてあまりの暑さに売店へ。
犬。気持ちはわかります。
とにかく暑いのでアイス。
私が「いくら?」と聞いたら200EGPと言われました。そしたら私の背後にいた中国人男性が驚いて「too expensive!!」と言いました。私のセリフです。
その後、中国人男性は「6人買うから安くしろ」と言い出しました。彼は5人組だったので、いつの間にか私も巻き込まれています。最終的に100EGPまで下がったのですが、奥のほうにもアイスを売っているお店があったので行ってみました。
奥の店でもやっぱり200EGPと言われ、「じゃあやめるわ」と言ったら150EGPと言い、それでもやめると言ったら100EGPまで下がりました。瞬く間に半額になる不思議な売店です。
アイスを買って表に出たら先ほどの中国人男性もアイスを食べながら出てきました。「いくらだった?」と聞かれたので「100」と答えると「同じだ」とやや怒っていました。もう少し頑張って値下げできていたらどんな顔をしただろうか⋯⋯。
そんなこんなでチンタラ歩いて車へ。
「昼ご飯食べるか?」「アラバスタ買うか?」「〇〇飲むか?」と何かしらのお店に誘おうとしてきます。〇〇はハスカップだかハイビスカスだか変わったものだったんですが、忘れました。特に不要だったのでお断りしつつカルナック神殿へ。ここには特に見たいものがありました。
カルナック神殿で「2時間後に戻ってくる」というと「そんなにいらないよ、1時間で十分だ」とアハメッドさん。いるよ絶対! 王家の谷も結局足りてないし!
最終的に「あなたの心のままに」と言ってくれました。いいやつです。
そんでもって早々に休憩してしまいました。スイカスムージー。さっぱりしてて美味しいです。
なんかすごい疲れてきてしまったんです。
エジプトについてから毎朝6:00に起きて炎天下を4Lの飲み物を消費しながら歩き回り、晩ご飯を食べて20:00か21:00頃ホテルに帰り、シャワーを浴びる生活の繰り返しだったのでさすがに疲労が溜まったのかもしれません。あとピラミッドのせいで筋肉痛がすごくて歩くだけで痛いです。
飲みながら10分休憩したら我慢できなくなったのでカルナック神殿へ。
でかいぞ!人が小さくて遠近感がおかしくなりそうです。
とりあえず手当たり次第に小部屋に入って行ったら見つけたスポット。
これがすげぇのです。
ルクソール神殿にも石柱がありますが、ルクソール神殿より太く見えました。そして圧倒的に数が多いです。全部で120本以上あるんです。もはや森です。こんなに日当たりが良く野ざらしなのに色が残っている箇所もあります。ちょっと奥のほうに行くと影になっている石柱もあって、そこも神秘的で素敵です。
これが見たかったやつ。
真ん中の削られているのはハトシェプスト女王が描かれていたのです。ハトシェプスト女王の後のファラオが、歴史から女性のファラオを消そうとして削ったそうです。女王の上に色々イラストが描かれており一部削られたり削られてなかったりしますが、これはハトシェプスト女王の名前を表している部分です。ファラオの名前にはどこかに神様の名前が入っているのですが、ハトシェプスト女王の名前を消す際に神様の名前の部分には手をつけづらかったのかその部分だけが残っているそうです。うろ覚え知識でした。
なんかこう、女性に関する歴史があらわになっているものがあると聞くと見たくなります。
Googleマップ上に「大スカラベ」と出てきたのでなんのこっちゃと思って見にきました。大スカラベ(フンコロガシ)でした。
スフィンクス参道に続く門。
カルナック神殿の端の方にあるので人が少ないですが、内側の彫られっぷりがすごく綺麗でした。
最初の休憩と私の歩く速度のせいもありますが、2時間ギリギリでした。
河江先生のYouTubeで見どころを知ってメモしてあったにも関わらず、一回真ん中をまっすぐ奥まで行って南側を大回りしてコンスの神殿とか見て、入り口に戻ってきた時に奥の方のメインである至聖所を見忘れたことを思い出してまたまっすぐ進み、さらにさっき一番奥だと思ってたところの先にはまだ何かあったのではと思いさらに奥まで進んで警備員に止められるところまで進んで満足し、さっき南側を回ったからと今度は左側を大きく回って入り口に戻りました。
つまりグダグダで歩き回っただけです。外側は人が少なくて遺跡の中を散歩している気分になり楽しかったです。石柱群の奥のほう、人が少ない木陰で石柱の根元に腰掛けて休憩したときが一番気持ちよかったです。警察官が腰掛けていたので真似しました。
あとツアーにはルクソール神殿が含まれていますが、昨日見たのでルクソール神殿まで送ってもらってツアーを終了させました。チップを要求されなさそうだったのですが、親切にしていただいたので「なんであんな人たちにチップ渡してきたのに、お世話になったこの人に渡さないんだ」という良いんだか悪いんだか謎の考えが生まれてしまって心ばかりのチップをお渡ししました。要求されると渡したくなくなり、要求されないと「なんで?」となってしまいます。
やっぱり疲れてました。2時間に1回休憩を挟まないと動けなくなってきたので昼ご飯ついでに休憩。2階に座っていると道路から手を振る子供が。なんだろうと思って見ていたらお金をねだられました。道路挟んで2階にいる窓の中の人間に。すごいです。
カフェを出る時にタバコを吸っていたら店員さんに「タバコ吸うのか!どこから来たの?俺たちも吸うんだ。1本ちょうだい」とねだられました。たかっているというよりは純粋に「日本人のタバコが欲しい」みたいな感じでした。「日本のタバコです」と1本あげると嬉しそうに胸ポケットにしまって去っていきました。
ちょっと遠回りしながらミイラ博物館なるものを目指しました。「1ダラー!」馬車に追いかけられながら。あと地元の座っていた女性が慎ましげに手を振ってきてほっこりしました。
そしたらミイラ博物館は休憩中でした。この辺の博物館の14:00〜17:00は休憩タイムであることをあらかじめ調べていたにも関わらず、いざ行く時にすっかり忘れていたのです。
しょうがないので川っぺりのお店でまたアイス。
10代と思われる男の子が店番をしていましたが、「こっちの方が涼しいよ」「ティッシュいる?」などと普通に親切でした。私があまり見ないタイプの観光客だったからか、彼が新人さんだったのか、緊張して頑張ってる感じです。ジェラートは「イタリアンジェラート」と書いてあったのでイタリアンジェラートなんだと思います。そんでもって通りすがりの観光客と思われる中東系のオシャレ女子2人組の写真撮影大会に巻き込まれました。英語を喋らないのでなんだったのかさっぱりですが、加工アプリで散々撮影して満足そうでした。
ミイラ博物館に戻る途中で歩道位にいた人に捕まりました。ただの通行人だと思っていたら船の人だったようで世間話の後に「ボート?」と聞いてきたので「ミイラ博物館に行く」と言って退散。
ミイラ博物館の建物裏の看板。
開館10分前に到着してしまい、入り口前に来ると警備員に「あと10分後に開くから川でも見てなさい」と建物裏の川っぺりに追いやられました。さっきまで川は十分に眺めてたし、ここには日陰がないからできれば建物の中にいたかったのですが大人しく川を眺めていました。
ここは道路から1階分下がったところで、上の道路から見下ろされる場所です。上から子どもが「ハロー!」と言っては私が「ハロー」と返すのを見て走り去って、また別の子どもが来て「ハロー!」と言ってくる遊びに付き合わされました。
ワニのミイラ。
人だけでなくいろんなミイラがいました。あとミイラの作り方的なイラストがあったので、ミイラの作り方の手順が書いてあるのかと思い翻訳カメラを起動し文字を読んだのですが、「神様とのうんちゃらかんちゃら〜」といったどちらかというとスピリチュアル的な作り方のお話でした。
まだ17:30でしたが、どうやら今日は疲れてるようなのでホテル方面に帰ることにしました。あと明日からのトルコのこと全然調べてないのも気になったので。
最後の船との勝負です。今日はどのあたりから⋯と考えていたらさっきの男の人にまた捕まりました。開口一番「マイフレンド!」です。誰がいつ友達に。
「僕の船は手漕ぎボートだけど、200EGPで2時間クルーズしてあげる」とのことでした。船はモーターのついたもののほか、大きなヨットのような帆のついた船もあったのです。手漕ぎボートと言ってもカヌーのようにえっさほいさ漕ぐのではなく、風を受けてゆっくりゆらゆら漕ぐようなものでした。
さっきまで「早く帰って休息と次の準備を」と思っていたのを早々に捨て去り「時間も余ってるし座ってるだけならいいか」と思って「100EGPなら」と言うとあっさりOKされました。
ルクソールから南に向かって手漕ぎボートは穏やかに進み、比較的涼しい夕方のクルーズは大変気持ちいいです。どんどん下っていくのでどこまで行くんだか不安になりましたが、同じような船がたくさんいたので、1時間は何も言わずにいることにしました。男性が「たくさんのお金はいらない、みんなが楽しんでくれたらそれでいい」と言うのを本心なのかどうか疑いながら。ついでに「あれが僕の家だよ」「あとで来ない?」と言われたり。民家に興味はありますが遠慮します。
1時間ほど経ったところでたくさん船が停まっているところがあり、そこに並んで停泊。「川で泳ぐか?」「裸足になってごらん」と言ってきますがお断り。さらに引き返すことなく「ちょっと降りてみよう」と陸へ誘います。
そんでもって小さい絨毯を芝生の上に敷き、夕日を見ようというので「まあそれならいいか」と思っていたら「キッスしようぜ」と言い出したので即座に「しない、帰ろう」と船に戻りました。毎度お馴染み「Why?」を繰り返されますがこちらも「帰ろう」を繰り返すのみです。デートに水辺と夕日を使うのはどこの国も同じなんだなと思いました。
そんでもってお隣の船にもどこかの国の女性が乗っており、ナイル川に入った後肩を組んでいました。こちらはナンパ成功なのでしょうか? 女性と近場で会いましたが、すごく笑顔だったので大丈夫なんだろうと⋯思います⋯多分。
こちらが頑なになればあちらも無理は言ってこないので帰れました。そういえば来る時は「下ってる」と思ってましたがナイル川は南から北に流れているので、正しくは帰りが下りです。行きは漕いでいたのですが、帰りは特に漕がなくてもスーッと進んで行きました。
芝生の上で見そびれた夕日。
ルクソールはずっと砂っぽい感じでした。遠くの景色がぼんやりとしてよく見えません。そのせいか、夕日がものすごくまんまるに見えました。他で見る夕日のように光線状に光が広がらないのです。今日散々見た遺跡でのまんまる太陽の絵と同じ形でした。
そんなこんなで無事にキッスマンとお別れし、ホテルへ。
一旦ホテルに入ってからその辺のレストランに行こうと出ていくと、ホテル前にはまたもいつものおっさんです。「明日チェックアウトだろ? 俺明日休みでいないからちょっと喋ろう」と椅子を叩いてきたので「いやレストランに行きたくて」と言うと安くて美味いという店を教えてくれました。
安くて美味い店。
ペルーの時からそうですが、なぜか定期的にスパゲッティが食べたくなります。280円くらい。スパゲッティのメニューが「ソース・オイル・マヨネーズ」の三択だったのでソースを選んでみたら食べたかった感じのやつがきました。スパゲッティというか懐かしのソフト麺というか、太めのひやむぎみたいにツルツルしてて美味しいです。そしてウエイターらしきおっさんが料理を運んでくる時以外ずっと隣の席に座っていて「どこから来たんだ?」「どこ行ってたんだ?」「これからどこ行くんだ?」「こっち座るか?」「美味いか?」と話しかけてきます。タバコ吸いながら。静かに食べさせてください。
珍しくハエがいなかったですが、川沿いだからか3箇所ほど蚊に刺されました。またも虫除けスプレーは持ってきただけでホテルで留守番中です。
明日は6:00にホテルを出ねばならず、6:00に流しのタクシーはいなさそうなのでフロントで手配を頼みました。来る時は800EGPですが帰りは900EGPでした。早朝料金だと思うことにしました。
結局何も順応できずに終わりそうです。ヨーロッパ系のおじさんが客引きに対し笑顔で頷くだけという対応をしているのを見て真似したのですが、それが一番良かった気がします。おじさんほどいなせなかったのですが、多分おじさんと私の格の違いだと思います。
最初は客引きに一番警戒していたのですが、最終的には客引きとか関係なく謎に親切な人に一番警戒するようになりました。声かけてくるもの皆敵のような。商売とか、声をかけてくる理由が明確な人の方がわかりやすくて良いです。理由のわからない親切がどこに行き着くのか不安になり、やっぱり予想外の方向に行き着くので。考えすぎだったのかもしれませんが、一線を越えてこられると怖いものは怖いのです。
あと一人で歩くアジア人女は珍しいのか、1度通った道では必ず覚えられてしまいます。ギザのピラミッド前は終盤地獄だったのでもう少し離れたところにホテルをとった方がよかったかなと思いました。でもピラミッド丸見えのところに泊まりたかったんだ⋯⋯。
そして謎の2ショット撮影会は不定期且つ1日平均2〜3回は行われます。目的は謎です。
私は普段大変寝付きがよく、寝たら起床時間まで一度も起きません。家族に「腹立たしい」と言われるほどです。でもエジプトではなかなか寝つけませんでした。ペルーでは日本と同じように寝られてたし、暑いけどクーラーもつけられたし、環境が変わることで寝られないタイプではないのですが、今日見た遺跡や人々などありとあらゆるインパクトが脳裏をよぎるというか目まぐるしく回るので興奮状態になって寝られないのです。そして起床時間までの間に何度か起きてしまいます。
この日も一生懸命お墓の美しさを思い出して心穏やかにしようとしましたが、お墓の美しさで逆に興奮しカルナック神殿の石柱群に興奮しハトシェプスト女王に思いを馳せキッスマンを思い出し夕日で興奮し、やっぱりなかなか寝られないのでした。