旅忘備録

うろ覚え多々なので情報の正誤は微妙。

エジプトからトルコへ

ダメダメだったエジプトを後にします。

 

8:55 エジプト/ルクソール国際空港発

1時間10分 飛行

10:05 エジプト/カイロ国際空港着

3時間15分 乗継

15:30 トルコ/サビハ・ギョクチェン国際空港着

 

朝6:00にお願いしていたタクシーに乗って空港へ。

ネットで予約したホテルだったので宿泊費はネット上で完了してると思っていたのですが、見返していたら現地支払いになっていたのでフロントで「払ってないんですけど」と言ったら「そうだっけ?」となり支払いをしました。がめついエジプトでは意外な経験です。

 

ルクソール国際空港。

そんなにお店も多くなく、こじんまりとした空港です。でも綺麗でした。

 

なんどか見かけて気になっていたカップ麺。

カフェに並べられていて、買ったらお湯を入れてくれます。コショウ!って感じでまた食べたいものでは⋯ないかな⋯⋯。

 

今日もルクソールの空は砂っぽいです。

「いつかもしまた来れたらもっと玄人旅人な自分で居られますように」「どれもこれも意味わかんないものばかりだったな」「アブシンベル神殿見たい」「エジプト行きたいって言ってた友達には絶対複数人以上で来るように言おう」などいろいろ思い起こしながら、面白さと楽しさと悔しさが入り混じる複雑な気持ちでした。少なくとも寂しさはないです。カップ麺を食べた後はトルコのことを調べてだいぶテンション上がっていたので。

 

カイロでは一旦荷物を受け取った後、ターミナル移動がありました。第3ターミナルから第1ターミナルへ。ターミナル間の移動について調べようと思ったらネットもWiFiも繋がらず、地図的なものも見当たらなかったので警官に「第1ターミナルはどこですか?」と聞いたらちょっと離れたところにいたおっさんを指さされました。

それに気づいたおっさんが近づいてきたので第1ターミナルの場所を聞いたら「10ドルで連れて行ってやる」と。10ドル??!!!

 

距離感もわからなかったので「場所を知りたいだけなんだ。どこにある?」となんとなくのエリアだけ表示されるGoogleマップを見せましたが、「自力で行けない。タクシーに乗らないと行けない」と言い張ります。警官に「場所を教えてほしい。バスは?」と言っても「そいつに聞け」の一点張り。もしかして知らないんですか???

 

まだ時間は3時間ほどあったので少々遠くても間違えそうでも歩きかバスで行くつもりだったのですが、教えてもらえません。着いてから現在地と照らし合わせて調べようと思っていて、散々な経験の反省を生かさずあらかじめ調べておかなかったのが悪いんですが。少なくとも尋ねるなら警官ではなくカウンターのほうが良かったみたいです。

 

どいつもこいつもグルだ⋯全員敵だ⋯もしやGoogleお前もか⋯⋯? と疑心暗鬼が最高潮に達しましたが、あと1本飛行機に乗ればトルコに行けるという希望にすがって飲み込みました。絶対チップは払わないからな! 後からよく考えたらバス乗り場を自分で探せば良かったんですが、もうげんなりしすぎて判断力が低下していたのだと思います。

 

おっさんについていき、寝ていたドライバーを起こして乗車。乗車前におっさんにお金を払いながら再度「チップは払わないけどいいですね?」と確認しました。「構わない」と。

 

そんでもっておっさんとドライバーが何やら話して出発。乗ってたら確かに結構な距離を走ります。もう乗ってしまったのでマップを開いて現在地を調べることはしていませんでしたが、ぼーっと外を見てるだけで3回ほど同じ看板を発見しました。こいつグルグル回ってやがる。

 

そしてようやく第1ターミナルへ。そして当然のように「マネー」。

「さっきこれ以上は払わないって言いましたよね」と言っても「ノー、マネー」。移動中は「銀行だ。両替をするか?」などそこそこ英語を喋っていたので英語がわからないわけではないと思います。こいつめ⋯⋯!

格闘(気持ちだけ)の末、払わずに降りました。

 

何か食べて忘れてやろうと思い、こちらも空港で何度か見かけたパイ的なもの。緑の部分がピスタチオかなと思っていたのですが、とにかく甘かったです。脳に染みる甘さでした。

 

エジプトを去ることへの寂しさなど微塵も感じず、トルコへの期待を胸にフライト。

 

エジプトはガイドブックなど持たずちまちま調べながら進んでいましたが、トルコのガイドブックは持っています。地球の歩き方です。おのぼりさん的なベタなミーハー感が丸出しで気に入ってます。「バッグパック背負ってガイドブック片手に行きたいところへ行ってみたい」という憧れだけでやってきました。この後に及んで自らのダサさを鑑みることはしません。空港でも飛行機内でも堂々と地球の歩き方を広げてペンを持ち、行きたいところに印と折り目をつけていきます。楽しいです。

 

あと低橋さんのブログを読んで気分を高めます。

気持ち悪いくらいに低橋さん低橋さんと言っていますが、本当に好きです。この方の経験も成功も失敗も憧れの塊です。行くところの目星をつけながら「ああここ低橋さんも行ってたな」と思ってはブログを見返し、ワクワクが止まりません。聖地巡礼するオタクのようです。

 

ところでカイロを出発するときに気が付いたんですが、到着空港を勘違いしていました。

トルコにはイスタンブール空港とサビハ・ギョクチェン空港があり、「ほとんどの国際線はイスタンブール空港に着く」というのを鵜呑みにしていたのです。そして地球の歩き方イスタンブール空港からホテルまでの行き方をルクソールで読み込んでいたのですが、到着空港はサビハ・ギョクチェン空港でした。

 

まず到着するイスタンブールは、バスだけでなく電車も発達しています。イスタンブール以外でもミニバスなどの公共交通機関が多くあるそうなので、地球の歩き方を元にできるだけタクシーは使わない所存です。私は旅人になってみせる。

 

電車とバスの2ルートがあったので、とりあえずバスに乗ってみることにしました。トルコ=バスのイメージになっていたので。しかし到着ロビーで看板を探すも、地下鉄の表示しか見当たりません。

 

早々に諦めて地下鉄にしました。大事なのはこだわりを貫き通すことではなく、たどり着くことです。

 

電車に乗る前に「イスタンブールカード」を入手しました。自動券売機で買ってチャージできるSuica的なものです。これでいろんな電車やバス・フェリーに乗れます。英語やフランス語などの外国語表記もありました。日本語はありません。駅も電車内も綺麗で観光客が多い電車でした。

 

地下鉄のため外も見えないので、地球の歩き方の路線図を見て1つ1つ通る駅を確認してみたり。地球の歩き方を買ったのはそれが一番ベタだと思ったからです。私はとにかくベタをやりたいです。あと低橋さんも持ってたので。

 

カドキュイ駅で電車を降り、フェリーに乗ります。

 

海?川?

この日は微妙な小雨の降る日でした。島国育ちだからか「わー海だ!」とはなりません。

 

クラゲ。

 

またもエジプトの空港で没収されたライターを買い直して乗り場へ。カドキュイからカラキュイを経由しエミノミュに行きます。

 

私はカタカナ言葉を覚えるのが苦手で、このカドキュイとカラキュイにプチパニックを起こしました。

フェリー改札に行くと2種類改札があり、どちらもエミノミュ行きであることはわかりました。フェリー会社の違いです。価格や速さに多少差があったかもしれません。出発時間は5分差だったのでどうしようかなと思っていたら、一方にたくさん観光客が進んでいったので逆を選んでみました。そして改札を通った直後、なぜか「これはカラキュイ行きだ!カドキュイ行きに乗らねば!」と今思い返してもよくわからないパニックを起こし、改札に戻って係のおじさんに「カラキュイじゃなくてカドキュイに行きたくて」とあわあわし、英語を喋れないらしいおじさんは「カドキュイ(に戻りたいのか)?」となって笑いながら戻してくれました。そして改札を出た直後に自分のわけのわからない勘違いであったことがスッと理解できました。なんだったんだ私は。

 

そしておじさんの元に戻って「やっぱり入れてくれ〜」と言うと「こいつさっきカドキュイに戻りたがってたくせに」と(思ったかどうかは知りませんが)心配そうにしたので「エミノミュ」と言うとにっこり笑ってそのまま通してくれました。本当にすみません。

 

船の中は木の温かみがあるほっこり系でした。乗った瞬間からウェイターらしきおじさんが手におぼんを持って「チャイ〜チャイ〜」と練り歩いており「トルコだ!」って感じです。乗っている人は現地の方と観光客と半々くらいでした。

 

ガラタ橋。

うっかり経由地であるカラキョイで降りそうになりつつも無事エミノミュへ。

 

エミノミュ港は売店も多く賑わっていました。歩いているとサバサンドを発見。野宮レナさんの漫画「トルコの人がみんな親切だった話」を読んで気になっていて「もしエミノミュに行ったら食べよう」と思っていたのを忘れていたのを思い出しました。気になるリストと現在の行動が噛み合ってないので、急にこんな「運命の出会い!」みたいなのが生まれます。普通なら空港を出るときにエミノミュを通ることは分かっているのでそこで気づくはずなのですが。

 

サバサンド。

デカすぎます。でも美味しいです。鯖も美味しいですが、パンが美味しいです。この食べている場所は地上で、奥に見えているのは船上です。船上で男の子たちが大量の鯖を焼いていました。地上で焼けばいいのに。

 

テーブルの上に食器用洗剤みたいなボトルがあって「テーブル掃除用かな」と思っていたところ、別のテーブルのおじさんがおもむろに洗剤を鯖にピューッとかけ始めたのでビックリしました。洗剤はレモン汁でした。真似してかけたらより美味しかったです。

 

エミノミュ港からホテルまで1kmちょいだったので歩くことに。荷物が重いし路面電車もありますが、できれば最初に着いたときに街をできるだけ歩きたいです。そして地図を見たらちょうど気になっていたエジプシャンバザールがあったので通っていくことに。

 

こじんまりとした商店街という感じでした。そしてバザールに入って早々、リュステム・パシャ・ジャーミーを発見。

入り口。

ここも気になってたモスクです。バザールの奥の方にあり、入り口がかなりわかりづらいとの前情報だったのですが、バザールを逆から進んできたのであっさり見つかりました。

 

女性はモスクに入るときにヒジャブが必要ですが、貸し出し用のストールがあったので拝借。

 

初モスク。驚きの美しさ。

 

天井。とにかく美しい。

 

壁のタイル。可愛い。これはチューリップ柄です。

 

イスタンブール観光といえばブルーモスクをはじめとした美しいモスクたち!と思ってやってきましたが、本当に美しいです。美しいなんて言葉は普段使いませんが、美しいとしか表現できないので多用します。先ほどまでの港やバザールのガヤガヤが嘘のように静まり返った空間です。

 

荷物を置いて天井を見上げたまましばらく静止してしまいましたが、まだまだこれからのところなので頑張って移動します。

 

少し青空商店街チックなところを歩いていくと、

屋根付きのしっかりした商店街が出現しました。

どうやらこちらがエジプシャンバザールで、先ほど歩いていたのはバザールから続く問屋街だったようです。

 

カラフルで可愛いお菓子の数々。

お菓子やドライフルーツ、スパイス、紅茶など色とりどりのものがたくさんありました。

 

歩いていると「ニーハオ」と言われます。「ノー、ジャパン」というとすかさず「オー、コンニチハ、アリガトウ」と帰ってきます。そしてたまにむちゃくちゃ流暢な日本語を話す人がいます。1枚前の画像に少しだけ写っている「エドまっちゃんの店」のおじさんです。

 

「なんじゃこの店名は」と思って足を止めるとおじさんが日本語で話しかけてきたので「あなたがエドまっちゃん?」と聞くと「僕じゃない。僕の友達」とのこと。誰なの。

「良かったら見ていってね」と優しく声をかけてくれたのですが、「買いたいものがないのに店に入ったら変なものを買うハメになる」とエジプトから続く疑念が全面に出て「ホテル行かなきゃいけないから」と断ると「そうなの? 時間があったらまたきてね」と笑顔で送り出されました。

 

え、優しい⋯⋯? いやいや親切の裏には何があるかわかりませんから⋯⋯!

 

さらに歩いていくと綺麗なドライフルーツ屋さんがあり、つい足を止めてしまいました。そしたら店員のお兄さんが「紅茶どうぞ」と小さな紙カップを渡してきます。

「何が目的だ?金か?ケツか?」と思いながらつい受け取って飲みました。すごく綺麗な赤みの強いピンク色だったもので。酸味があってフルーティーですごく美味しいです。

紅茶もらったついでに「もうどうとでもなれ」と思いながらドライフルーツをしっかり見ていると、お兄さんがちょっと申し訳なさそうに「ミニマム250g」と教えてくれました。私がどう見ても1人観光客なので250gは多すぎることを察していたようです。「ちょっと多すぎるね」と言うと「どれか1つあげるよ」と言われ、恐る恐るキウイを選ぶと快く1つくれました。そしてそのまま退店。

 

は、チップは⋯⋯? ここは「マネー!」チャンスじゃないの⋯⋯?

キウイをかじりながら頭が「???」となったまま、その後はよくよくお店も見ずにホテルへ向かいました。

 

トルコは元々チップ文化がないですが、ヨーロッパからの観光客が多いためチップボックスを設置しているお店も多いです。チップをあげないとダメというわけではなく、もらえると嬉しい程度だとか。という情報はもちろん知っていましたが、魔のエジプトでの疑心暗鬼がどうしても拭えません。

 

というわけでホテルです。

「なんちゃってバックパッカーをやるなら一度はドミトリーに泊まらねば」と思い込んでドミトリーを予約しました。地球の歩き方に「人気ホステルランキングで常に1位、2位を争う」とも書いてあったので。私はミーハーなやつです。

 

通された部屋は2段ベッドが4つある部屋でした。ベッドの下に2つ、上下分の荷物入れ。部屋自体は広くて共同シャワールームも広くて快適そうです。「上と下、どっちのベッドがいい?」と聞かれて「2段ベッドは上が定石、でも下のほうが便利そうではある⋯」と迷っていたら「う〜ん、じゃあこっちね」と下に勝手に決められてしまいました。普通は下がいいようです。

 

晩ご飯を食べようかと思ったんですが、先ほどのサバサンドが効いていたのでやめました。地球の歩き方を見てやりたいことを復習します。のっけから記憶抜けまくりだったので。

 

寝るには早すぎるし何かしたいなと思い、ハマムにトライすることにしました。

ハマムとはトルコ式風呂で、サウナに入って垢擦りされて泡で洗われるらしいです。いくら銭湯・温泉大好き国の生まれとはいえ、いきなり流れやマナーを知らない場所で裸になるのもちょっと不安でした。ここも地球の歩き方先生に習ってお店をリサーチします。

 

載っているお店のうち、時間的に行けそうなのが「高級ハマムエステ」と「観光客向けハマム」の2つでした。ほかにも地元客向けがありましたが、よく知らないのにいきなり地元客向けのお店に行ったら迷惑だろうと思い。

 

「観光客向けハマム」の値段は、地球の歩き方には「415TL(トルコリラ)〜」と書かれていたのですが調べたら2,500TLくらいでした。5倍!?

 

出国前、私が海外旅行に行くと言うと必ず「円安なのに〜」と言われました。円安なのは重々承知していますが、私はタイミングがここしかないから行くのでしょうがないです。そしてしょうがないので円安云々を見せつけられるのが嫌で、ここ最近の物価変動などは調べないようにしていました。そこまで大きな差がないか、ちょっと高くなっている程度だと思っていたので。

 

この後もこの「5倍!?」が頻繁に現れます。5倍どころか10倍もバンバン出てきます。フェリーは地球の歩き方には3TLと書かれているのに24TLくらいだったり、特に公共交通機関に大きな変化がありました。

イスタンブールのご飯なんかは地球の歩き方(2018年発行)だと50TL前後、低橋さんのブログ(2012年)だとケバブサンドが8TLとかありました。今のところ見てきたお店は一食200〜500TLです。意味がわかりません。

 

あまりに大きすぎる差に驚いて後々調べたのですが、TLは大暴落を繰り返しているようです。特に地球の歩き方が発行された後であろう2018年に。経済に詳しくないのでアレなんですが。だいたいで2012年は1TL40円、2018年は1TL20円、そして現在は1TL4円ちょいです。これまた意味がわかりません。グラフがものすごいことになっています。

 

これでは過去の価格は全く参考にならないので、過去の価格は過去の価格同士で比較して「どっちが安いか」だけを参考にすることに。実際の価格は現地で調べて高いと感じるかどうか考えます。詳しく比較して調べると結論は「前よりちょっと高い」に落ち着くことが多かったです。

 

というわけで調べたハマム屋さんは12,000円くらいです。高いなと思いましたが「初体験だし載ってるお店の方が安心だし、問い合わせてワンチャン通ったら行ってしまおう」と、ソーレ!と勢いで問い合わせたら通ってしまいました。しまった。

 

通ってしまったのでしょうがなくウキウキで向かいました。切り替えは早いほうです。「チェンベルリタシュ・ハマム」というお店です。

 

向かっている途中、お菓子屋さんの前にいた兄ちゃんに声をかけられました。「疲れた顔してどうしたんだ!?」と。

体力的にはそんなに疲れているつもりはありませんでしたが移動もあったし、何よりエジプト疲れからのトルコとの雰囲気の差や、価格云々のことで多少頭が疲れていたかもしれません。しかし親切には裏があるかもしれません。

 

すっかりエジプトで植え付けられた警戒心を秘めていたのですが、お兄さんは「どうして疲れてるんだ!これ飲め!」と構わず紅茶を出してきます。さっき飲んだのと同じ色の可愛いやつです。ザクロだそうです。

「これからあっちのハマムに行くんです」と言うと「いいね!ハマムに行けばもっと元気になるよ!」と優しい兄ちゃん。日本人だと言うと「日本に住んでた人がいるよ!」とスルスルと店内へ。あれ私の警戒心弱くない?

 

中にいたおじさんが流暢な日本語を話し「ハマム?何時から予約?まだ時間あるね。椅子に座ってゆっくりしたら?」とこれまた優しい。そして兄ちゃんが「これ食え!元気出せ!」と試食用のお菓子を出してきます。なんなんだ何が目的なんだ。

 

「ハマムの値段が高い」とボヤくと「このカバンはいくら?服は?値段には理由があるだろ?」と諭してくる兄ちゃん。あとおじさんが本当に日本語お上手でした。日本語が上手な外国の方と喋るときでも難しい言葉を使わないよう気をつけていますが、うっかりわかりづらいような言葉を使っても全部通じます。

 

トークと怒涛の試食とおじさんの日本語に心を開き⋯そうになってはいけません。肝心なのは退店時です。ここが一番気合入ります。

 

「じゃあそろそろ行きます」と身構えながら店を出ようとすると、「元気出たか?ハマムに行って良い夜を」と笑顔で送り出されました。

 

はぁぁああああああ? 優しいんか?? ただ優しいだけ? なんで???

 

わけがわからないままハマム屋さんへ。ハマム屋さんはいかにも高級店な内装で黒服的な男性がご案内してくれる受付でした。最初に黒服さんに「Do you have a medical problem?」と聞かれ、「I'm fine」とアホの子のような返事をして「は?」という顔をされました。すみません。私はただ元気なんです。

 

受付で一緒になった、ポーランドから来たというマダム2人組と一緒に女性エリアへ。個室に個別に案内されました。個室にはタオル・使い捨てスリッパ・紙パンツ・ローションやら歯ブラシやらのアメニティ⋯⋯。ハマムでは水着を着たほうがいい説があったので一応水着は持っていたのですが、洗濯するのも面倒だし紙パンツあるしで着ませんでした。紙パンツ履いてタオル巻いて出陣です。

 

水を渡されポーランドマダムとサウナへ。サウナといっても体感50℃くらいで結構ぬるめでした。個室の鍵にゴムも何もついていなかったので手に握るしかなく、ぜひ銭湯の手首巻きシステムを教えてあげたいです。

ポーランドマダムのうち1人がとにかく楽しそうで、寝転んでみたり通気口に手をかざしてみたりしてました。そしておもむろに私の足を触りもう1人のマダムの足を触り最後に自分の足を触り「あなたたち、まだまだね」と一言。マダムはダラッダラです。負けました。

 

その後、ヨーロッパ系の2人組2組とアラブ系の2人組1組が追加でやってきました。全員若者です。そして肩紐が見えるので水着を着用しています。マダムはノー水着です。私はマダムサイドです。幼少期から銭湯温泉大好き人間なので同性の前での裸なぞなんとも思いません。

 

その後もポーランドマダムが「ほら水飲んで!汗かいて!」と場を回し盛り上げ、15分ほど経ったところでお迎えがきました。優しそうなトルコマダムです。

 

マダムに手を引かれ桶のお湯で体を流され、大理石に寝かされ、垢擦りでゴシゴシされ、泡で洗われ⋯⋯泡がすごいです。思った以上にフワッフワの泡泡です。泡泡を塗られて首から足先優しく洗い、ひっくり返されてまた泡泡を塗られて首から足先優しく洗うのを「まだやるの?」と思うくらい繰り返されました。あとシャンプーも。とにかく気持ちいいです。天井がモスクみたいな円形になっていて、仰向けになっていると落ち着きます。水着の若い子たちは結局水着を脱いで恥ずかしそうにしていたのが見えました。

 

唯一困ったことといえば、顔や頭に水をかけられるときに特に予告がないのでぼーっとしてると穴という穴に水や泡が入ることです。一応マダムの動きを見ていないと「フゴッ」となります。

 

全部洗い終えたらまたマダムに手を引かれて移動。今度は両手を繋いでヨチヨチ歩きスタイルです。そんで頭からお湯をかけられ泡を流し、タオルで全身を拭いてくれます。頭を拭かれてる時に「これはもはや母ちゃんじゃん」と思った瞬間、マダムに「あなたはベビー、私はマミィ」と言われました。

 

その後女性専用室の広いロビーみたいなところに通され、チャイとお菓子をもらいました。お菓子はナッツの入ったゆべしみたいなやつで、ロクムと言うそうです。ロクムをかじりながらお茶を飲んで一息ついて⋯⋯

 

天国かなここは?

 

しっかり落ち着いて個室で着替えて備え付けのドライヤーで髪を乾かして退店しました。ポーランドマダムとバイバイしながら。アラブ系の子たちは追加マッサージを受けていました。いくらするんだそれ。

 

いやあ⋯⋯トルコ最高です!!!

なんもかんも優しいし食べ物は美味しいし意味わからんです。エジプトとの高低差に耳キーンなります。

 

大変いい気持ちで宿に帰還したら

ワンコにとうせんぼされてました。

 

ドミトリーに入るとすでに消灯していたのでコソ泥のように歯磨きをして就寝。