旅忘備録

うろ覚え多々なので情報の正誤は微妙。

エジプト3 ルクソールへ移動/ルクソール博物館とルクソール神殿

カイロからルクソールへ移動します。

昨日と同じメニューの朝ご飯を食べて指定時刻にロビーへ。「もう少しで車が来るから待ってて」とのことなので座って待っていました。

 

昨日の運転手さんはスマートな若い男性で、寡黙な人でした。今日も同じ人が来るのかなと思って待っていたら、ジャイアンみたいな人が来ました。縦にも横にも大きくて、これまた大きなダミ声でしゃべります。フロントで何かブワーっと喋っていたので業者さんか何かかなと思っていました。今朝も屋上の工事をしていて、階段を通るたびいろんな人に会っていたので。壁をズガガガガと削っている真横で食べる朝ご飯はなかなかでした。

 

ジャイアンが私に話しかけてきました。一応英語だったのですが、ダミ声の上に英語とアラビア語の間みたいな喋り方でうまく聞き取れなかったので「ボート」と言っていたのでボートでのツアーの勧誘かと思い「大丈夫です」と言いました。同じくロビーにいたフランス人カップルとも何やら話し、カップルをつれて出て行きました。

 

その後またジャイアンが戻ってきてフロントの人と何か話し、フロントの人が「空港に行くタクシーを予約したよね?」と私に話しかけてきました。どうやらジャイアンが空港行きのタクシー運転手でした。「なんでさっき"違う"って言ったんだ!」と大笑いされました。これは申し訳ない。

 

あとで気づいたんですが、エジプトの人の英語は伸ばすような「r」を「ル」って言うことが多いです。「エアァポート」じゃなくて「エアルポート」と言います。なんで「ポート」のほうは「ポート」のままで「エアルポルト」と言わないのかはわかりません。でも聞きようによっては「エアルポルト」に聞こえる人もいました。私は「エアルポート」をあまりにはっきり言われた"ル"によって空港のことだとわからず、さらにダミ声のおかげで「ポート」が「ボート」と聞こえ、勘違いを発生させてしまいました。

 

すまんすまんと車に乗ると、先ほどのフランス人カップルも乗っていました。空港へ向かう道中のアタバ市場だかなんだかに送ってもらうそうです。相乗りになるならもう少し安くならんかったんかなと思いました。

 

車の中ではフランス人カップルに「3時間後にここに迎えに来るから。もし来なかったらこれでタクシーに乗れ」とお金を渡していました。あらかじめ往復分の料金を支払っているのでしょうか。だとしたらちゃんと来てあげてほしいです。彼らもジャイアンの英語が聞き取りづらいようで会話に苦戦している様子でした。私だけじゃなくて良かったです。

 

空港の駐車場で下ろしてもらって少し歩いて空港へ。明らかにこれからフライトであろう出立ちで空港に向かって歩いているにも関わらず、「タクシー?」の嵐が止みません。

 

お昼ご飯にハンバーガー。

 

ほぼ肉でした。

売られていた時はこの肉の2倍くらいはありそうなふかふかのパンに挟まれていました。買った時に「温めるか?」と聞かれたので前のめりでお願いしてカウンターで待っていたら、ハンバーガーがギッチギチに鉄板で押し挟まれているのが見えました。結果パンが減りました。ちょっと残念ですが、肉肉しくて美味しいです。

 

飛行機は1時間半ほど遅れて出発。お詫びなのか元々のサービスなのかわからない、ついでにアラビア語でなんのフルーツなのかもわからないパックジュースを飲んで1時間のフライトの予定でしたが、後半ものすごい揺れでした。今まで飛行機で感じたことのない揺れで、周りもキャーキャー、無事離陸した時は拍手喝采。荷物レーンでTシャツにもズボンにも「TOKYO」とプリントされたTOKYOかぶれのヨーロッパ男子を見かけました。目が合って見つめられたので「日本人です」とTシャツを指さすと何故か隣にいたお父さんのほうが大喜びしていました。男の子は着せられていただけかもしれません。

 

ルクソールでは配車アプリの圏外な上、公共交通機関がないということで交渉タクシー一択です。こうなると潔いのでより心して挑めます。

荷物が出てくるのが遅かったのと空港を少々チョロチョロしていたので、もう大半の人はいなくなった状態で戦場へ向かいました。

 

お客にありつけなかった10人くらいの団体が「タクシー?」「タクシー!」とものすごい勢いで一斉にガッパガッパと歩きながら押しかけてきます。

 

ギザで観光客に声をかけてくる大人はYシャツにジーパン姿が多く、若い人だとTシャツにジーパンでしたが、ここではほとんどの方がワンピースタイプのアラビアっぽい服装でした。ガラビアというみたいです。ガラビア軍団の中に1人Yシャツの男の人がいて、この人が先頭で「タクシー?」と言ってきます。どうやら頭取のようです。

ホテル名と金額を言うと「800EGP」とのこと。ホテルまで20km30分ほどです。ざっくり2,400円くらいですが、高いと思います。値下げ交渉をしましたが聞いてはくれません。そもそもこの団体しか見当たらないし、競合他社がいないので「じゃあ他当たるわ」が使えないのです。空港から出て歩いて別のタクシーを探す手もありますが、地図で見ても空港の周りには何もないのでタクシーがいなさそうに思えました。

 

結局「800EGP、Noバクシーシ」というのでそれに折れたのですが、その瞬間頭取が他の運転手たちとなにやら言い合いを始めました。もしかしたら言い合いではないのかもしれませんが、語気が強い上に同時に複数の人が喋り、手の動きも激しいので言い合いにしか見えません。ギャーギャー言い争いながらウロウロ移動し始めるので私はどこに行けば良いのかわからず「けんかをやめて」が呑気に脳内に流れましたが、頭取が手招きしてきたので大人しくついて行きました。1人のガラビアおじさんのタクシーに乗ってホテルへ。約束通りちゃんと追加給金の要望は出ませんでした。ルクソールはカイロ・ギザと違ってコンクリートではない道もあり、建物も2階建て以下で緑が多くとても砂っぽく明らかに田舎でした。

 

ルクソールは大きく分けてナイル川を挟んで東と西に分かれています。

東:空港、ルクソール神殿ルクソール博物館、カルナック神殿など

西:王家の谷などの遺跡系中心

私は今回王家の谷などを中心に回りたいので西のホテルを取りましたが、これが失敗だったと後にわかります。

 

ホテルは「EL Gezira Gardens Hotel」です。

https://www.el-gezira.com/?hotel=gezira-garden

5,000円くらいのいいホテルを取りました。ホテルだけでもいいところにしておけば「ホテルに帰れば安心できる」と思えるので保険です。すごく可愛い部屋だったのでテンションが上がり、無駄に動画を回してルームツアーなるものをやったのですが、電気がつかず「あれっ?」となりました。停電中でした。

 

ナイル川(パノラマ)、西側より。

この日がとにかく風の強い日でした。風に対して斜めに傾いて歩かないといけないくらい、台風並みの強さです。そして砂が舞いまくってます。このせいで飛行機が大揺れしたのかもしれません。これがルクソールか⋯と明日予定している遺跡巡りが心配になりました。

 

ボートがたくさんありますが、このボートがナイル川の東西の橋渡しをしてくれます。橋が少ないのでタクシーだと遠回りになるので、東側に行くならボートに乗るのが良さそうです。

 

私はエジプトのガイドブックを持っていませんでした。

地球の歩き方」は見つけたのですが、2箇所しか行かないのにそんな本気ガイドブックを持っていってもなと思ったので。公共交通機関も少なそうですし。あと「ほとんどが行かないところなのに、本を見て行きたい場所ができて諦めることになったら嫌だ」という気持ちが70%くらいありました。

 

ネットでこの船について調べると、「正規の船に乗れば10EGPで乗れるが、正規の船ではないものが多いので気をつけて」とのことでした。マップで正規のルートっぽいところへ行って立ち止まるとすぐさま「ボート?」と話しかけてきます。試しに値段を聞くと「200EGP」。ヒィィィイイ!

 

ここが正規のボートではないことが丸わかりだったので一旦断って川沿いを歩きました。結構長くボートが並んでいて、10mごとくらいに「ボート?」と聞かれます。そして「200EGP」と言われます。そんなことをしているうちにボート乗り場は終わってしまいました。正規の乗り場とは???

 

正規の乗り場がなくなってしまったのか休業中なのかはわかりませんが、少なくとも並んでいる船の見た目はどれも同じです。桟橋のようなものが2本ほどあったのでそこでも奥まで行って値段を聞いてみましたが200EGPでした。もうお手上げです。

交渉を試みましたがダメでした。狭い地域ですし、どうせ全員言うことは同じです。早めに諦めて言い値を支払いました。私はダメな旅人です。彼らにとっては良い観光客かもしれませんが。

 

船はモーター付きで良い乗り心地でした。普通に楽しかったです。「エジプトはナイルの賜物⋯」とベタなことを考えていました。

 

船から降りるとすぐさま別の男性が「ボート?」

今降りたばっかりだろうが!!!

 

1kmほど歩いてルクソール博物館へ。

言葉がわからないのとにわか知識しかないのであまりためになりませんが、私が見たいのはミイラです。

 

外観。

 

中身。とにかくたくさんありました。

 

すごい綺麗なやつ。

虫はフンコロガシです。古代エジプトにはものすごい数の神様が出てきますが、最高神は太陽神です。フンコロガシは転がしているフンが丸いことから「太陽を運行するもの」と考えて神格化されていたそうです。そんな感じにいろんなものを神格化しています。

 

ミイラさんです。

髪の毛が髪の毛でした。丁寧な包まれ方に赤ちゃんのおくるみを感じます。右側に写り込んでいるおじさんは知らないおじさんです。

 

なんかすごい可愛かったやつ。

 

どこかから大量に出てきた彫像なんでしょうが、お土産屋さんにしか見えませんでした。似たようなものを何度も押し付けられたので。

 

また1km、風に対して斜めに傾きながら戻ります。今度はルクソール神殿です。こちらにはとにかくでかい巨像と石柱があるとのことで楽しみでした。

 

まだ全然遠いところから。このときですでに大きさが半端なく、「えぇ馬鹿みたいなデカさ⋯」と大変失礼なことを思っていました。ちチケット売り場はここから見て真反対なのでぐるっと歩いていかないといけないのですが、それだけでさらに1kmほどあります。ここから3km離れたカルナック神殿からここルクソール神殿まで参道があるせいか、ちょうどよく横切る道がないのです。

 

チケット売り場の横に大きな公園があり、地元の方々が多くいました。モスクがあるためだと思います。チケット売り場に向かっていると公園側から子供たちが駆け寄ってきて「ハロー!!」と言います。思わず振り返ると「1ダラー!」と言われます。

 

目の前。ズゴーン。

あまりのスケールに「ははっ」と乾いた笑いが出ました。私は日頃独り言を全く言わないので、声が出るのは稀です。

 

オベリスクさん。

これまたデカイです。本当は2本あり、1本はフランスに出張しています。上のほうまで深く刻まれた文字が美しいです。オベリスクだのラーだの聞くとデュエルスタンバイしたくなります。

 

牛を連れて歩く人。

河江先生のYouTubeで見た見どころはちゃんと押さえていきました。

こういう線の部分を掘って描いている壁画が多いんですが、奥のほうには盛り上がらせて描いているものもありました。

 

色の違う石(花崗岩?)でできた、これまたでかい像。

 

ここの裏がむちゃくちゃ綺麗でした。硬い岩のはずなので、ここまできっちり綺麗に掘るのはどうやったんでしょう。

 

石柱。首が痛いです。

下の中央あたり、アンパンマンの人形が見えます。ガイドさんが棒の先につけていて「エジプトにまでアンパンマンが⋯」と思っていたら日本人団体ツアーのガイドさんでした。日本語が聞こえてくる機会が少なかったせいか、ただの注意不足なのか、日本語が日本語に聞こえずしばらく経ってから「あっ日本語だ」となりました。

 

フレスコ画

ローマ侵攻後にキリスト教が入ってきて上から塗り替えられたとかなんとかかんとか。

 

1時間ほどゆっくり周って、ライトアップされるとのことなので30分ほど神殿の端に座って待っていました。こういう遺跡の中で遺跡を眺めながらぼーっとする時間が何よりも贅沢に感じます。1人はこれがあるから好きです。神殿の中だと客引きも来ないですし。

 

ライトアップ。

ギザのピラミッドみたいなビカビカしたものではなく、しっとりとしたものだったので良かったです。

 

スフィンクス参道。

正面にいる女性が写真を撮影していて私もそちらを撮影しています。この参道がカルナック神殿まで続いていて、船の形をした神の御神体が乗った御神輿を運んだりしたとか。あとこの神殿の西側まで本来はナイル川があったそうです。

 

神殿出口の喫煙所で先ほどのアンパンマンツアーご一行と一緒になりました。20人くらいでギザとルクソールを周っているそうです。彼らは昨日からルクソールにいるそうで、私は明日王家の谷などを周る予定だったので「昨日もこんなに風が強かったですか?」と聞いてみたところ「そんなに強くなかった。旅行代理店のガイドさんも"こんなの初めて"って言ってました」とのこと。珍しい強風のようです。そして彼がタバコに火をつけた1分後にガイドさんから呼ばれてしまい「これが団体の辛いところです」と笑いながら去って行きました。

エジプトには喫煙所(灰皿)が多くありますが、エジプト人は所構わず吸います。そして地面に吸い殻が大量に落ちています。

 

晩ご飯。わんぱくが過ぎます。

右上の長細ハンバーグみたいなものが「コフタ」というメインで、肉!胡椒!みたいなシンプルな味でした。クリーム色のスープというかペーストみたいなもので妙に酸っぱくてちょっと口に合わず⋯下の茶色いスープはコンソメスープみたいな味で米が入っています。メニューには「コフタ、サラダ、スープ」と書かれていたのですが、そこになかったパンと追加スープと米がやってきてさすがに食べきれず、テイクアウトもされていたので容器をもらって持ち帰りました。

 

西側にホテルを取ってしまったので、あのボートに乗って帰らなければなりません。まだ着いたばかりなので弱音は吐きません。実は明日もプライベートツアーを予約してしまったので。

 

川に行くとすぐさま子どもが「ボート?」と言ってきます。子どもはあまり相手にしたくないのでホニャホニャ避けていると立派なおじさまがやってきました。口髭をたくわえたガラビアが似合いすぎる、英語を流暢に話す方でした。

 

私「いくらですか?」

おじさま「200EGP」

「来る時は100EGPだったんだけど」

「警察に捕まると3000EGP支払わなければいけない。今は夜だから捕まる可能性が高い。もし捕まったら代わりに3,000EGP払ってくれるか? 200EGP払ってくれるならもし捕まっても3,000EGPはこちらが払う」

 

この時点で思ったことは「100EGPというのに反応しなかったということは100EGPに値切れる可能性があったのか」と「警察がいて3,000EGPも罰金が取れるなら今すぐきたら入れ食いなんだけど」でした。あちこち船だらけなので。

 

その後世間話に移行しました。「どこから来たんだ?」「結婚してるのか?」「子どもはいるのか?」

 

私は結婚していますが子どもはいません。すると「エジプト男性はどうだ?」と言われました。「私は結婚してるよ」と言いましたが「エジプトでは4人まで結婚できるから大丈夫だ」とのこと。

 

エジプトは一夫多妻制が認められていて4人まで結婚できることは知っていましたが、私は女性なので妻側です。あと日本人です。

 

なんやかんやありながら200EGPで送ってもらいました。もう諦めが強くなってきています。

 

東側の川沿いはコンクリート道路で建物も高く、格式高い系ホテルも多くありました。レストランもしっかりしたものが多いです。西側は着いたところから土の地面で、建物も低く川沿いにレストランみたいなのがポツポツあります。

西側には王家の谷などの遺跡がありますが、徒歩で行ける距離ではありません。一方東側のルクソール神殿・博物館等は徒歩圏内です。そう考えると完全に東側のホテルを取るべきでした。そうしたらこのボート往復も発生しなかったのに。場所の雰囲気的には西側が落ち着いていて素敵です。東ほど客引きもないですし、東側ほど数はないですがレストランや売店もあるので。

 

ホテルに戻るとホテル前の椅子におっさんが座っていました。このおっさんはチェックインの時にも座っていて、やたら陽気に声をかけてきます。世間話をするだけで特に案内などをするわけでもなく、何をしている人なのか全くわかりません。ただただ陽気です。ずっとホテルの前にいたのでホテルの人なんだとは思います。

 

昨夜の反省を生かしてギュッと目を瞑ってシャワーを浴びたら、あんなに砂を浴びたのに充血していませんでした。洗濯してとっとと寝ます。

 

明日は王家の谷、ハトシェプスト女王神殿、カルナック神殿を見に行きます。

公共交通機関がなくタクシーで行くと帰りが厳しくなるので、アプリ「Viator」だかなんだかでツアーを申し込みました。ルクソールの西も東も周る5箇所8時間で4,000円だったので良いのではと。ギザもホテル経由ではなくアプリ経由にすればもっと安かったかもしれませんが、ギザで高く感じたから今日自力での申し込み方法を調べたので、成長ということにしておきます。