旅忘備録

うろ覚え多々なので情報の正誤は微妙。

カッパドキア5 ウチヒサル/アヴァノス

到着してから4回目の朝です。今日こそは気球が飛ぶはずです。

当初は「もしかしたら気球に乗りたいとか思っちゃうかも」とか思ってましたが、見てもない気球に乗りたい気持ちはさらさら起きませんでした。

 

期待に胸を膨らませながら部屋のドアを開けると

もう飛んでました。ビックリです。

 

昨日は20TLをケチるために遠回りして時間をかけて丘に登りましたが、こうも飛ばれていると気が急いで20TLを払って短縮ルートで登ってしまいました。

 

登っている最中。そこかしこに気球がいます。

 

だんだん空がオレンジ色になってきて、どんどん気球が増えてきます。この光景は写真でよく見ていたのですが、いざ目の前にすると幻想的でぼぅっとしました。

 

おびただしい量です。どこもかしこも気球まみれです。

高い気球に乗らない我々を楽しませてくれる富豪の皆さんには本当に感謝です。

 

やたら近くまで来た気球。

富豪の皆さんが手を振ってくれました。

 

こんなにいい光景を見ずに寝る犬。

周りは気球を見に来た人だらけでしたが、構わずスヤスヤでした。

 

ぽわぽわした気持ちで丘の上で売ってるちょっとお高いチャイを買ってしまい、のんびり眺めながらぼけーっとしてました。太陽が出ているので昨日ほど寒くなかったです。

 

何個か地上に降りる気球を見届けて解散。

ホテルに戻って寝直して、素敵ビュッフェを3周してチェックアウト。出来上がっているだろう洗濯物を取りに行きました。

 

昨日は10:30頃にお店に行き、「明日のこの時間に来てね」と言われたので10:40頃に到着しました。店が開いてません。元々10:30開店のお店なので「多少開店が遅れるかも」と思って10分ほど遅れて来てみたのですが、まだ甘かったようです。

 

仕方ないので店の前にやってきた猫に無駄絡み。

 

セクシーポーズ。

 

お手手ナイナイ。

 

猫もそろそろポーズ案の限界を迎えそうな11:10、「あーごめーん!」とお店の人がやってきました。大遅刻です。

 

いつもは衣類を圧縮袋に入れてこれでもかと潰してバッグパックに入れているのですが、さすがに公共の場でパンツなど取り出して荷物整理をする勇気はなく、適当にごそっと詰めたらバッグパックがパンパンになりました。

 

バッグパックをバスカウンターに預け、今日は昨日行けなかったギョレメから南にある街・ウチヒサルと北にある街・アヴァノスに行きます。昨日のバイクがとても気持ち良かったので今日もバイクに乗りたいのですが⋯⋯国際免許証がありません。

 

昨日バイクに乗る時はレンタルバイク屋で免許証を出しました。もちろん返してもらいました。そのあとは分かりません。国際免許証はカードサイズではなく、地球の歩き方と同じくらいのサイズの黄色い二つ折りの冊子です。財布等に入れられるようなサイズではないのでそのままカバンに入れていたのですが、どうやら物を出し入れした時か何かに落としたようです。

 

昨日はあちこち行ったので落とした場所の目星なぞつきません。カッパドキア以外で運転するつもりはないのですぐ諦めました。カッパドキアの地に私の顔写真を落としてしまったのは何とも言えない気持ちです。

 

しょうがないのでウチヒサルまでハイキングすることにしました。ミニバスでも行けますが、とにかく天気が良かったので。バイクに乗れないからミニバスというのもなんか負けた気がするので別の行動で取り返したいです。

 

こんなコースを想定してみました。

最初の方の半分くらいは2日目に歩いたところと同じです。

 

とてつもなくのどかです。

昨日までボアジャンパーを着たままでしたが、今日は暖かく半袖で行けます。風も気持ちよくハイキング日和でした。ジョンはいませんが。

 

右を見るとウチヒサル城が見えます。

ずっと右に見えるので全然進んでいないように見えますが、モスクの塔などに注目するとなんとなく角度が変わっていくのがわかります。

 

別れ道です。三択です。

普通に考えたら一番右の道なんですが、真ん中の道の脇に矢印を書いた看板があります。重たそうな石でできていて、いたずらにしては手が込んでいたので信じることにしてまっすぐ行ってみました。

 

そしたら30mで道が終わりました。あっさり。多分あの看板は左の道から来た人に正しい方向を教えるためのものだったのかと思いましたが、分かりづらすぎます。戻って大人しく右の道を進むとレストランのようなところに着き、さらに進むと昨日も一昨日も来たピジョンバレーに着きました。

 

昨日も一昨日も見た景色を見ていると、下に降りたくなりました。何人か降りて歩いている人がいるので行ってみます。下を歩いて行ってもウチヒサルには着けそうです。ただ一旦降りるのでだいぶ登らなければならなくなりますが。

 

上から見ていただけでは見えなかった建物がどんどん出てきます。穴ボコだらけです。

 

一部の洞窟部屋に入ってみました。中も穴ボコだらけです。暗くてちょっと怖かったのでそろりそろりと入ったのですが、突然ズザザザーっと音がしたのでつい「ギャー!」と声をあげてしまいました。休憩していたらしい犬でした。失礼しました。

 

部屋から出ようとすると出口に先程の犬がこちらを恨めしそうに見てました。ごめんて。でもそこ通してくれないと帰れないんですよ。

 

だんだん穴ボコ岩は落ち着いてきて森林コースに。

 

ウチヒサルの街の端のようなものが見えました。下から見上げすぎているせいか、あんなに丸見えだったお城はもう見えません。道というか草が生えてない細いところを進んでいったら街に着きました。

 

お城は一番上にあるので、とにかく上に行けそうな道を探して歩きます。街中の道は狭く、車で通るのは大変そうでしたがホテルが多くありました。

 

お城に入る前にジュースで休憩。休憩ついでに帰りの飛行機をそろそろ取っておこうとしました。元々最大12日(11日トルコ発)までと考えていました。

 

5/7 今日 マラテヤに移動

5/8 ネムルトダーゥに行く

5/9 イスタンブールに戻る

5/10 地下宮殿に行く(工事終わってるので)

5/11 トルコ出発

まあ十分余裕を持ったスケジュールだと思います。

 

ただ11日が土曜日のせいか、翌12日(日)発の飛行機が半額くらいになってるのです。別に1日ズレたところで予定も入っていないのですが、なんとなく最初に決めた日程だったので12日の飛行機にすることを躊躇していました。

そしてこの時、改めてチケット料金を見ると11日(土)も12日(日)くらいまで下がっていたのです。もうこれは12日まで延長する理由がありません。

11日(土)のチケット購入に進み、最後の決済ボタンを押した瞬間「あっちょっと待って!」と思ってしまいました。もう遅いんですが。急に後悔が出て来てしまったんです。何するかも考えてないのに。

 

そしたら席が埋まったとかなんとかで決済できずに返ってきました。なんの神様のおかげでしょうか? ウホホーイとブチ上がったテンションそのままの勢いで12日(日)のチケットを買いました。12日まで何するかは後で決めます。さすがに遠くには行けないでしょう。

 

ウチヒサル城塞です。

初日からずっと遠目に見えていましたが、近づくと思っていたより城塞!という感じでかっこいいです。お城の周りにはお店もあり、ドライフルーツ屋のおじさんがメロンをくれました。意外とあっさりしたお味です。

 

てっぺんから。奥に見えるのはローズバレーです。

 

登ってみると後ろは崖っぷちすぎてまあまあの恐怖でした。

 

手前がウチヒサル、奥に見える高い建物がある町はネヴシェヒルだと思います。この辺りで一番大きな街らしいので。

 

てっぺんの穴ボコに溜まった水を飲む犬。

 

喉を潤したら穴ボコにすっぽり。

 

降りながら手当たり次第に洞窟に入ってみたり。

 

ここの洞窟も入り組んでいて、大きな部屋がたくさん続いていました。

 

お城から出ると可愛いお土産屋さんがありました。

「ジャパン?見ルダケタダ〜!」と声をかけてくるおじさんに「これからマラテヤに行くから買えないんです」と言っても「OK OK、見ルダケタダ〜!」と上機嫌でお店に案内されました。陶器のマグカップに目と鼻と口をベンッ!とつけたようなやつがありました。

 

アヴァノスに向かいたいのですが、ミニバス乗り場がわかりません。どうやら街の中心部まではバスが入って来れないようで、街の外に出ないと行けなさそうです。

その辺の人に「ミニバス乗り場はどこですか?」と聞いたら「乗り場遠いし、タクシーに乗った方がいいよ。200TLで着くから」とのこと。いや別に遠くていいからミニバスに乗りたいんです⋯と思ったんですが、そういえば一度もトルコのタクシーに乗ってないので試しに乗ってみることにしました。

 

メーターがバックミラーについているので交渉要らずです。たまにメーターを戻していない人がいるから気をつけたほうがいいんだとか。

どうせなのでギョレメを通り越してアヴァノスまで行ってもらいました。アヴァノスまで真っ直ぐのはずが手前で曲がったので「どこ行くの?」と聞いたら「センターは混んでるから」と1本先の道を通っていました。本当に混んでいたかどうかは知りませんが、曲がってからアヴァノス中心まで恐ろしく飛ばしていったので早かったと思います。

 

分かりやすすぎるスポット。アヴァノスは陶器の街です。

 

アヴァノスはギョレメほど人が多くなく落ち着いていて、観光客も少なめでした。レストランもいくつかありますが昼過ぎのためかあまり人がおらず、どうしようかなと歩いていたら繁盛してそうなお店があったので入ると、これを食べているおじさんがいてとても美味しそうだったので「あれください」と注文。よく考えたらこれが食べたいと思ってたイスケンデルケバブでした。

肉と細切れのパンの上にトマトソースがかかってます。左の白いのは甘くないヨーグルトです。ボリュームがありますが、ヨーグルトと一緒に食べるとみるみる無くなってしまいました。

 

トルコで一番美味しかった料理はこれかもしれません。ヨーグルトと一緒に食べるという驚きも含めて。あと私、ヨーグルトは大好物です。アイランもよく飲んでました。

 

ご飯を食べて「なんかこの辺にあるかな」とGoogleマップを開くと、近くに「Chez Galip Hair Museum」という建物が。私はこれを知っています。写真集「奇界遺産」に載ってました。こんな近くにあるなんて。

 

街を離れなければいけなくなった女性が自身の髪の束を付き合っていた男性に残して去って行ったのをきっかけに、男性がたくさんの女性の髪の毛を集め始めたのだとか。そして今では世界中の女性の髪の毛が部屋のあちこちに貼られている異様な光景となっているとか。写真は見たことがありますが、シュールというかホラーというか⋯な空間でした。

 

入り口。

男性は陶芸をされていたそうで、陶芸作品の販売所も併設されています。今はご本人ではなくご家族が経営されてるとか。

 

中の写真撮影は禁止なのですが、もうすごかったです。部屋というか洞窟のような薄暗い部屋の壁と天井に、隙間がないほど髪の毛とメモが貼られていました。天井からは髪の毛が垂れ下がっています。メモには髪の毛の持ち主の名前などの情報が書かれていました。中には住所や電話番号などの詳細や、何かメッセージのようなものまで。証明写真のような写真がついてるものもあります。

 

背中がゾワゾワっとしますが、表現しようのない空間でした。途中で中国人カップルも入ってきたのですが、「ア、ハハ⋯」みたいな何とも言えないリアクションでした。さらにそのあと入ってきたヨーロッパ系の団体の皆さんは普通に笑っていました。強いです。

 

クズルルマル橋。吊り橋です。

カッパドキアに来て初の川ですが、綺麗でした。橋は渡ってみたら結構揺れて怖かったです。

 

スーパーがあったので立ち寄り、デニズリで食べたやたら美味しいスープのレトルト版が売っていたので書いました。そしてレジに商品を忘れてお姉さんに「ヘイ!」と言われました。

 

帰りはちゃんとミニバスに乗ってギョレメへ。

 

そんでもっておやつです。

座布団スイーツを食べたお店にまた来ました。よくトルコで見る棒状のお菓子を切ってもらったものです。アーモンドとコーヒーとりんごの味と書かれていましたが、コーヒーは分かりませんでした。これもとにかく美味しいです。ネチネチとしています。

 

バスの出発までまだ1時間ほどあったので、最初に登ったホテル裏の丘に来ました。これでこの丘に2回有料(20TL)、3回無料で登ったので私の勝ちです。

 

「これで見納めかぁ」と思いました。

来ようと思えばまた来れます。なんなら一度来た分 今回より楽に。でも何となく来ない気がしました。もう十分というわけではなく、来られるならもちろんまた来たいですが、もしまた海外に行ける機会があったら行ったことがない場所を選んでしまうと思います。

今まで海外に行きたいと思えるほど興味がなかった私からすると「行くなら行ったことないところに」と思えるのは大変な進歩でした。スロバキアの洞窟とかベトナムの洞窟とか、行ってみたいところがまだあります。低橋さんのブログで見たからです。

 

こうして来たいと思ったところにちゃんと来られて、登りたいと思った岩に登ったりなんだりして来て、「やろうと思って行動すればやれるんだなぁ」と当たり前のことを思いました。当たり前すぎるので忘れないように、一番見たこの光景をもう一度写真に収めました。

 

長く風に吹かれたせいかトイレに行きたくなったのですが、丘の上のトイレは20TLと強気だったので頑張ってオトガルまで我慢しました。

 

子犬です。おすわりしています。

バスを待っていたら突然足元がワサワサッとしたので驚いてみたらこれでした。とんでもないほっこりです。ほかに2匹のもう少し大きい子犬がいて、私のバッグパックの周りを駆け回ってじゃれあってました。私から何か出てるんでしょうか。

 

19:30頃バスが出て、1時間ほどでカイセリに着きました。

カイセリからマラテヤ行きのバスが出るのに3時間ほどあります。

 

せっかくなのでオトガル内の飲食店ではなく、歩いて2kmほど先にあるファーストフード店で晩ご飯。トルコで一番よく見かけたチェーン店「Köfteci Yusuf」でした。マックより遥かに多くあります。キョフテのバンバーガーです。美味しいのですが、ハンバーガーにもパンをつけるのはやり過ぎだと思います。

 

燃え盛る厨房。一大事かと思ったらずっとこれでした。

 

カイセリ着いてからずっとそうなんですが、注目度が高いです。アジア人どころか観光客を見かけないので珍しいんだとは思います。ここに入った時もメニューを見ていて気がついたら前のほうに5人くらい店員さんが集まって来て驚きました。

ハンバーガーを持って来た女の子が天使のように可愛くて、「どこから来たの?」と聞いてくれました。話した英語はそれだけでしたが、その後メモ用紙を持って来てインスタのアカウントを聞かれたので、あまりの可愛さにうっかり教えてしまいました。フォローして来たのは別の男の子でしたが。

 

お店から出ると数人のおじさんに絡まれました。すごい笑顔でずっとトルコ語です。「トルコ語わかんない!」と言っても構わず話してきます。しかも質問です。しょうがないので翻訳アプリを起動したら「休みなんですか?」とのことでした。そこ!?

 

あまりの注目されっぷりにやや疲れながらオトガルに帰ります。

 

カイセリのオトガル。

すごく綺麗で大きく、空港のようでした。

 

夜行バスに乗る前に歯磨きしていたら、女性がやって来てヒジャブと一番上のワンピースを壁にかけ、顔を洗って足を洗っていました。負けました。ヒジャブってそうやってつけるんだ⋯髪の毛しまうの大変そうだなと思ってたんですが、意外と簡略化されてますね。

 

チャミールコチさんのバスです。

バスに乗った瞬間もものすごい視聴率でした。あちこちで見られはしますが、嫌な視線ではありません。目が合えばニコッとされたりもします。座席について特に意味もなく通路側の脇腹を摩ってたら、通路挟んで隣のお姉さんが私の椅子の肘掛けを倒して出してくれました。特に望んでいたわけではないですが、こんなふうに注目しつつ何か手助けしてくれようとしたりします。

 

いつも通り出発前にお給仕さんが名前と行き先を確認しにきたのですが、私の時だけすごいしっかり「マラテヤ。マラテヤ?マラテヤ」と連呼確認をされました。そして全員の確認が終わったら再び私のところにやってきてトルコ語で何かを伝えにきたのですが理解ができず⋯理解できていない様子を察して去って行った後は特に何もなかったので、問題があったわけではなさそうです。

 

バスの中は相変わらず快適なのですが、USBに差しても電気が通ってないようで充電ができませんでした。予定していた行程からはみ出していることと、あまりに今までと違う視線を受けることで「なんか今までと違いすぎることをしてしまった気がする」と思いつつ就寝。